カテゴリー: Book review

  • マンガでわかる!マッキンゼー式ロジカルシンキングを読んだ

    マンガでわかる!マッキンゼー式ロジカルシンキングを読んだ

    新しく知識を得る際、活字の本とマンガの本があれば迷わずマンガの本から手に取る。この本も例外なくそのアプローチで手にした本。

    プロジェクトリーダーをしていて様々なステークホルダーの方と合意形成を取らなければらない機会があるが、その合意形成に非常に時間がかかっていて、物事が進まないということが何度もあった。

    同僚からロジカルシンキングを学んだほうがいいかもしれないというアドバイスをもらい、本を探していたところ本書に行き届いた。

    ロジカルシンキング(論理的思考)とは

    論理的に物事を考え、深め、既成概念にとらわれず最も適切な方法を考え、具体的に実行する方法、姿勢

    きちんと深掘りをし、より良い案を出すこと。

    ロジカルシンキングを鍛える

    ロジカルシンキングの鍛え方として A4メモ書きについて紹介されている。

    頭に思い浮かぶままにメモをするだけ

    やり方は以下の通り

    1. A4 用紙を横置きにする
    2. 左上にタイトル
    3. 右上に日付 (2021-07-13)
    4. 本文は 4~6 行
    5. 各 20~30字書く

    A4 メモ1ページを 1分で書き、毎日10 ~20 ページ書くのがポイント

    みんなどんな感じで書いているのか Google 画像検索すると色々出てくる。

    https://www.google.com/search?q=a4+%E3%83%A1%E3%83%A2+0%E7%A7%92%E6%80%9D%E8%80%83&sxsrf=ALeKk03pdC18TaAorMFd6xbuDt6DqGeShA:1626230580932&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=2ahUKEwiImuWAxeHxAhXJZt4KHVKrDXcQ_AUoAXoECAEQAw&biw=1920&bih=969

    以下のようなメリットがある

    • 頭が整理される
    • モヤモヤがなくなる
    • 前向きになる
    • 優先順位が明確になる
    • 言いたいことが自然に浮かんでくるようになる
    • 説明がすらすらできるようになり、納得してもらうことが増える

    A4メモがロジカルシンキングの力をつけるトレーニングになる。

    重要なポイントとして、1分で書くこと。一気に素早く書くと頭の中身が全部書き出される。

    あれこれ悩まず、言葉も選ばずモヤモヤしたものを書き出すのでも良い。

    1件につき1枚に書く。別のタイトルを思いついたら別の紙に書き出す。

    紙はA4用紙である必要がある。

    タイトルは疑問系にすると良い

    • インタビュー前に仮説を持つには?
    • 報告書の作成方法は?

    など。なお、抽象的に書くのではなく、具体的に書く。

    同じタイトルでも気が済むまで何度も書く。

    保管したメモはすぐに見直さず、3ヶ月に1度見直す程度が良い。

    なお、ゼロ秒思考については Youtube大学でも解説されている。

    フレームワーク

    理由は必ず三つ挙げ、それを説明する。

    検討そのものが深くなり、論理的思考が徹底されている。

    理由を三つ挙げることによる習慣化するメリットは以下の3つ

    • 論理的思考が自然に身につく
    • 自分の意見に対して自信を持てる
    • 論理的思考をしている、安心して任せられると周りから思われる

    よく使われるフレームワーク

    • 2 x 2マトリックス
      縦軸・横軸で、整理する上で最も重要だと考える2つの項目を選ぶ

      縦軸と、横軸に何を入れるかがポイントとなる。
      軸の選び方が重要になるが、これは練習するしかないと書いてある。
      整理する上で最も重要だと考える2つの項目をまず考え、いったん記入してから有効性を確認しバランスを取る。
      https://imasarakikenai.com/time-management-matrix/

    ロジカルシンキングで思考を加速する

    大トロの部分

    ものごとを整理し、問題点を正確にとらえ、最も効果的な対応策を考える

    1. 論理的にものごとを考え、深める
      現状分析を行い、会社の強み弱みを抑え、わかりやすく整理。
      その条件下でどうすれば目的を達成できるか徹底的に考えを深めていく。
    2. 既成概念に囚われず最も適切な方法を考える
      1から10まで全部疑う。
      ものごとを普段から疑い、本当はどうあるべきか、本質はどこにあるかを考え続ける。
      ゼロベースで考えて初めて本来の姿、今の自転で最適な方法にたどり着く。
    3. 具体的に実行する方法、姿勢
      クライアント企業の経営幹部を支援して実行。成果を上げるところまでやる。

    ロジックツリーで問題解決を導く

    「現象・問題」、「本質的な原因」、「根本的な解決策」、「具体的施策」を繋げていくもの

    問題把握と、その解決を図る際に使われる。

    いかに頭を混乱させずに、整理しながら検討を進めることができる。

    考えが深くなり、洞察力も生まれ、問題の本質や解決策の要点がはっきりと見えてくる。

    https://www.google.com/search?q=%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%84%E3%83%AA%E3%83%BC&tbm=isch&ved=2ahUKEwjm4bbkyOHxAhV4zYsBHWUtDeoQ2-cCegQIABAA&oq=%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%84%E3%83%AA%E3%83%BC&gs_lcp=CgNpbWcQAzICCAAyAggAMgIIADICCAAyAggAMgIIADICCAAyAggAMgIIADICCAA6BAgAEAQ6BwgAELEDEAQ6CAgAELEDELEDULfBLFjYzCxgutIsaABwAHgAgAGqAYgBrwySAQQyLjExmAEAoAEBqgELZ3dzLXdpei1pbWfAAQE&sclient=img&ei=K1PuYKagC_iar7wP5dq00A4&bih=969&biw=1920

    まとめ

    頭が真っ白になる現象は、ロジカル・シンキングが十分にできておらず考えが浅いために起きる。

    ロジカルシンキングは十分にトレーニングすることで強めていくことができる。

    ロジカルシンキングはA4メモでトレーニングする事ができる。

  • NINE LIES ABOUT WORK 仕事に関する9つの嘘 を読んだ

    NINE LIES ABOUT WORK 仕事に関する9つの嘘 を読んだ

    背景

    チームリーダーとして仕事をする上で、自分のやり方が正しいのか、ルールがおかしいのかよくわからなくなることが多々ある。

    その度にマネジメント系の本を頼ったりしていたが、今回同僚にこの本を勧められたので自分も買ってみた。

    8つの質問

    この本では、最も業績の高いチームにとくに多くみられた従業員経験の側面があり、それを正確に表現した質問事項が以下の8つあがっている。

    • 会社の使命に貢献したいと思っているか
    • 仕事で「自分に期待されている事」とはっきり理解しているか
    • 所属チームでは「価値観が同じ人」に囲まれているか
    • 仕事で「強みを発揮する機会」が毎日あるか
    • 自分に「チームメイトがついている」と思えるか
    • 「優れた仕事」をすれば認められることをしているか
    • 「会社の未来」に自信を持っているか
    • 仕事で常に「成長」を促されているか

    目標設定について

    登場人物のひとりとして、よくマラソンを目指す友人という話しがでるので、自分ごとのように読んだ。

    目標が役立つかどうか、自発的に設定したかどうか。全体目標から落とし込まれた目標は、本当の目標ではない。

    最高の企業は目標を落とし込まない。最高の企業は「意味」を落とし込む。

    チームメンバーには外の世界で起こっていることを理解させるとともに、どの山を目指しているのかを伝える。

    「意味」と「目的」がわかれば人は動く。

    貢献するための具体的な方法はチームメンバーに任せるべきだ。

    もっと突き詰めれば「共通の目標」があってもまとまらず、チームメンバーのために本当に重要な仕事の意味と目的、使命と貢献、手法を吹き込むことと説いてある。

    チームリーダーの役割

    チームリーダーの役割は、チームとしてのアウトプットを最大化し、メンバーには手鏡を与えることである。

    ビジネス感覚を持った人とはどんな人か

    ビジネス状況を理解して決断を示す機敏な速さのことであると説いてある。

    ビジネス感覚を持つ人は、状況に関する重要な情報を取得、主要目標に集中し、問題解決のために取り得る妥当な対応策を認識し、適切な行動指針を選ぶこと。それができる人のことだ。

    人は訓練を積んでも、他人を正しく評価できるようにはならないと本書では伝えている。

    その状況に対してどうすればいいか。

    評価に使う良いデータと悪いデータを識別する方法を学ぶことからはじめる

    答えではなく、問いを模倣せよ

    本書を乱暴にたった一行でまとめるとすればこんな感じだ。

    本ブログでまとめたのはごく一部だが。目から鱗が落ちるところが多々あった。

  • ピープルウエア を読んだ

    ピープルウエア を読んだ

    読んだ動機

    業務をしていたプロジェクトリーダーを努めさせてもらった一年半の長い長いプロジェクトがようやく終わりを迎える。

    振り返ってみたら、不確実性との戦いだった。手探りにプロジェクトを進め、ひっくり返ることもあった。

    不確実性との戦いは今回担当したプロジェクト特有のものではない。おそらくきっと、人生につきまとってくるもののひとつだ。

    それであればこの機会に不確実性についての取り扱いについてきちんと学びたいと思うに至った。

    そこで ヒロキさんの Qiita にたどり着いた。

    https://qiita.com/hirokidaichi/items/95678bb1cef32629c317#%E4%B8%8D%E7%A2%BA%E5%AE%9F%E6%80%A7%E5%88%86%E6%9E%90%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%91%E3%82%B9

    トム・デルマコの著書はとてもいい知見に溢れているものの、自分からしたら比喩がわかりにくいこともあり、あまりすすんで読もうとはしてこなかったが、

    知見を得たいとの一心で久しぶりに トム・デルマコ本。 ピープルウエア を読むことにした。

    学んだこと

    一言で言うと、この本は不確実性を直接対処するものではなく、生産性の高いチームを育てることで不確実性にも対応できるようにするといった本だ。

    管理者が陥りやすい錯覚

    個人的にはここで挙げられている項目が現在の自分が考えていた感覚とドンピシャだった。

    7つ記載があったが、その中の3つがとても良かった。

    • 生産性を飛躍的に向上させる方法があるはずだが、見落としてきた
      上記錯覚に対する反論として以下が挙げられていた
      基本的なものを見逃すものはない。
      新しい方法を求め努力してきた。これからやろうとしている情報のどれもが、実際に生産性を高めることはない。
      人は、何かに熱中したり、学んだり改善したりと思っているものである。

    • 他の管理者は自分より、2倍、3倍の成果を上げている
      この錯覚に対する反論は以下のとおり。
      そんなこと気にすることはない。開発やテストの部分に照準を合わせているに過ぎない。
      他にもドキュメント作ったり、顧客と折衝したりする必要がある。
      小さな視点で人と比べるのは良くない。

    • バックログが多いから生産性をあげなければならない。
      プロジェクトの完成時にコストを計算すると、当初予算を遥かに上回るのが常識。
      開発資金がなかった為に完成できなかったから、バックログになったもの。
      生産性の向上は、バックログをこなすために必要なのではない。
      バックログに溜まったタスクを潔く捨ててしまうことで得られる。
      (わかるけどこれはちょっと極端だ)

    生産性の高いチームを育てる

    人が楽しいと思える仕事に必ず「挑戦」がある。

    挑戦はチームのメンバーが一緒になって努力する目標が与えられるからこそ必要になる。挑戦は時にチームを一つにまとめる道具になる。最良の仕事仲間を持った時、人は愉快な気分になるものだし、力を尽くす。その時チームの相互作用がフルに働く。この瞬間、メンバーも楽しいと感じる。

    チームが結束し始めると、成功の確率はぐんと高まる。このフェーズに入ったチームを率いることはリーダーとしての楽しみにもなるようだ。

    結束の強いチームの特徴として、退職率の低さがある。

    自己防衛を取ることのリスク

    チーム編成を妨げ、プロジェクトを崩壊させる確実な方策与えられた仕事をこなす能力が部下にない場合、プロジェクトは失敗する。
    しかし、与えられたグループでやっていこうと一旦決めたなら、最良の戦術は部下を信頼すること。
    部下を信頼する代わりに、プロジェクトの成功を保障しようとして自己防衛の手段をとれば事態は悪化する。

    最良の上司の定義

    「管理」などないかのように、チームが和やかに一致団結働かせることができる人。

    管理されていることを部下に気づかせずに、そんなやり方を繰り返しやれる人。

    健全な会社にするための戦略的要素

    • 品質を高める
      チームのメンバーが品質至上主義になると、市場が求めている以上の品質が備えた製品を常に生産するようになる。
    • 満足感を与える打ち上げ
      (コロナ禍なので飲み会は難しいけど、自分の担当プロジェクトが完遂しら何かしないとな。)

    読み飛ばしたところ

    この本が書かれた時と時代は変わり、リモートワークが定着したことでオフィスに全員が出社する頻度はかなり減った。本書ではオフィスの環境についても書かれてあったが、そこはざっと読んだだけで、ほとんど読み飛ばした。

    ここの部分はリモートワークについて語ってる Youtube大学で語っていることを取り入れることにした。

    まとめ

    時代は変わってもチームビルディングについてのポイントは変わってない。

    名著から学ぶことは多い。

  • DMM.com を支えるデータ駆動戦略 を読んだ

    DMM.com を支えるデータ駆動戦略 を読んだ

    誰も正解を持っていない中プロダクトを開発しなければならない。不確実性との戦いである。

    情熱を科学で支える。データ駆動戦略とは、データを駆動させることで事業の優れた価値を見つけ、組織がデータを中心に意思決定する世界。このゴールのイメージがとても重要になる。

    本書ではデータ駆動する上でスクラムなどの開発手法の話にも言及があるが、その辺はすっ飛ばして、あくまでも”データ基盤” を作る上で必要な情報のみまとめる。

    データ駆動戦略を用いた事業の捉え方と、プロセスは以下の順番を遡ると説いている。

    1. 事業でどうやって収益を得ているか知る。
      何をインプットとするか。
      インプットに対してどのような処理が行われているか
      何をアウトプットとしているか

      時には1ユーザーの売り上げベースでミクロの視点で見る必要もあり、
      合計の売り上げで見るマクロの視点で見る必要がある。

    2. その後、事業構造を KPI で表現して予測可能性を作る。
      KPI を作るにあたり、 KGI (Key Goal Indicator) の理解や、
      CSF (Critical Success Factor) に関する知識が必要。

      KGI – CSF -KPI

      といったツリー構造になる。
       
    3. KPI から見えた課題に対して施策を実行していく。この際、費用対効果が高い KPI を選定する。

      KPI として訪問者数を目標値として老いたとする。
      キャンペーンなどの施策を行いながら、訪問者数を増やしていく。

      この時重要なのは、施策の優先順位付けに時間をかけるのではなく、
      施策の実行スピードを重要視することである。

    4. 仮説検証のサイクルを回す。必ず成功する施策はない。失敗を許容し多くの施策を回す。

      不確実性の高い事業の中で、全て成功するとは限らない。失敗を許容する仕組みを用意する

    5. KPI サイクルを高速に合理的に回す

      スピードを上げる。


    データ基盤を作る上では、まずはデータを集約することが第一歩にな理、データパイプラインが必要になる。

    データ集約は組織全体で行わないと効果が限定的になり、局所最適化になってしまう。

  • 「いちプレーヤー」から「マネージャー」に頭を切り替える思考法 リーダーの仮面 を読んだ

    「いちプレーヤー」から「マネージャー」に頭を切り替える思考法 リーダーの仮面 を読んだ

    さまざまなリーダーシップや組織論についての本があるが、本屋さんの中で平積みされていたので気になっていた本。

    「素顔」のままで疲れ果てるか、「仮面」をかぶり、生まれ変わるか。

    という背表紙の一文にはドキッとさせられる。

    本書に書かれていたことと、私自身の経験も照らし合わせながらまとめていこうと思う。

    リーダーの責務の一つに

    部下を成長させ、チームの成果を最大化させることがある。

    リーダーがチームの成果を最大化させるためにリーダが見るべきポイントはわずか5つだけである。

    この5つのポイントにフォーカスし、それ以外のことは任せる、見守る、スルーするようにする。選択と集中。まさにそのように感じた。

    組織マネジメントには数学や物理のように公式のような決められた型がある。

    トラブルに見舞われ、リーダーとしてどう振る舞えばいいか悩むことに出くわすが、この5個に立ち返るだけで良い。自分の所感も含めて記す。

    1. ルール

    場の空気ではなく、言語化されたルールをつくることが重要だ。

    ルールを作り、それを守らせるのがリーダーのすべきこと。

    ルールを作って、規則正しく動くのであれば精神的に疲れることもない。

    ルールを作る際は、主語を明確にするのがポイント。

    ルールが重要であり、他人に「気遣い」を期待することなどあってはならない。

    他人に期待してしまい、それが期待通りされなかった時は辛い。

    最初から「気遣い」などに期待しないと割り切ることが重要。本当に必要であればそれはルールに盛り込むことだと説いている。

    2. 位置

    対等ではなく、上下の立場でコミュニケーションする

    責任者がハッキリしていないと部下は働きにくい。

    3. 利益

    人間の魅力ではなく、利益の有無で人を動かす

    みんなで利益を目指せば迷子にならない。これはとても重要なことであり、目的が一緒であれば手段は部下に選ぶ裁量渡しても良いのではないかと個人的には思う。

    チーム全員を「組織の利益」に向かせるための仕組みがとても重要。

    「成長」という利益を追い求める限り、会社との利益相反を起こさず永遠に利益を得続けることができる。

    4. 結果

    プロセスを評価するのではなく、結果だけを見る

    5. 成果

    目の前の成果ではなく、未来の成長を選ぶ

    総括として、いかなる時も個人的な感情は決して表に出さない。

    ルールに基づいてチームを動かし、そして結果だけをみて冷静に評価する。

    本書では 1on1 などのコミュニケーションも否定しているし、合う人合わない人が明確に分かれそうだ。しかし中間管理職として疲弊する人にとっては、このような考え方もあるのかと非常に勉強になった。

    そもそもリーダーシップとは?

    またリーダーシップと、マネジメントについては鴨頭さんの動画が非常にわかりやすかった。

    リーダーシップとは

    マネジメントはこちら

    同じ動画(開始位置が違うだけ)なのでサムネが一緒になってしまっているが。

    自分はこの表現がとてもわかりやすかったので紹介。

  • モノリスからマイクロサービスへ を読んだ

    モノリスからマイクロサービスへ を読んだ

    マイクロサービス化を促進させたく、また今我々がマイクロサービス化に向けてとっているアプローチが正しいのかを確認する上で本書を読むことにした。

    事前にいくつか言葉の定義をしっかりしておく必要がある。

    代表的な登場人物として、マイクロサービスと、モノリスだ。

    それぞれの定義と、メリット、作り出す問題は以下の通りだ。

    マイクロサービスについて

    マイクロサービスの定義

    ビジネスドメインに基づいてモデル化された独立してデプロイ可能なサービス

    サービス同士が疎結合である必要がある。

    マイクロサービスのメリット

    各サービスの作業を並行して行えるため、多くの開発者がお互いの作業を意識する必要がなく作業を行うことができる。

    マイクロサービスが作り出す問題

    マイクロサービスが作り出すのはメリットだけではない、

    ネットワーク通信によりサービス間の通信が発生することになり、今までの処理以上にレイテンシーはかかってしまう。

    また、サービスをまたいだデータベースのトランザクションも非常に難しい。

    マイクロサービスによるメリットをきちんと享受しないと、デメリットだけ発生する可能性もある。

    この問題に対して以下の問いに対し明確になっている必要がある。

    • 達成したいことは何か
    • マイクロサービスの他に代替案はなかったのか
    • どうすれば移行がうまく行くか分かっているか

    モノリスについて

    モノリスの定義

    マイクロサービスを語るとき、しばしばその対義語として使われることがあるが、この本ではデプロイの単位として捉えている。

    システム内の全ての機能を一緒にデプロイする必要があった時、モノリスとして表現している。

    全てのコードが単一プロセスとしてデプロイされているシステム。

    モノリスのメリット

    マイクロサービスと比べてしまうとモノリスで

    • 監視
    • トラブルシューティング
    • エンドツーエンドテスト

    などを行うのは容易と感じる。とにかく1個に集約されている状態は開発運用するのにメリットも確かにあった。

    これはマイクロサービスを運用していると、このモノリスの当たり前がいかに我々に染み込んでいたかを感じる。

    モノリスが作り出す問題

    そもそもマイクロサービスに舵を切る理由である。

    モノリスはさまざまなサービスが1つに集約されている。そのため長年運用していると機能拡張が難しくなる。

    マイクロサービス化を始める時の大切なポイント

    マイクロサービスに踏み切る際考えるべきポイント

    • 自分たちにはどれくらいの数のマイクロサービスを扱えるか
    • マイクロサービスの境界線をどのように定義するべきか。

    この辺が重要になる。

    マイクロサービスへの移行計画

    茨の道になることもある。ビジョンと戦略を生み出す必要がある。

    ビジョンとは・・・仲間を集めてどのような変化をもたらすことを望んでいるのか

    戦略とは・・・そこに到達する方法

    これらをメンバーと共有する必要がある。一人では到底難しいプロジェクトになる。

    サービスのインターフェースを定義する際に重要になるのが

    サービスがどのように利用されているかというサービス利用者の観点からサービスをデザインしていくところである。それがマイクロサービスへの道のりの一歩になる。イベントストーミングがそれになる。

    イベントストーミングとは

    技術的なステークホルダーと非技術的なステークホルダーが一緒に共有ドメインを定義する共同で行うべき作業。

    イベントストーミングはボトムアップで行う。

    システム内に発生する「ドメインイベント」を定義することから始め、

    イベントを集約にまとめ、集約を境界づけられたコンテキストへまとめていく。

    移行に於けるチェックポイントとして

    時折立ち止まって振り返るための時間を組み込むことが重要

    情報を分析し、軌道修正が必要かどうかを判断する

    マイクロサービスでのトランザクション

    ACID トランザクション(DB の一貫性を保つトランザクション)は全てのデータベースが持っているわけではない。

    解決策が2つある

    2フェーズコミット

    投票フェーズと、コミットフェーズの2つに分ける。

    • 投票フェーズで状態の変更が可能かを確認し、レコードにロックをかける。
    • コミットフェーズで確定させる。

    サーガ

    複数の状態変更を調整できる。レコードをロックさせない。

    各ステップのビジネスを明確にモデル化させる。

    ロールバックするにはロールバック用の処理を用意する必要がある。(開発コストもリスクも高くない?)

    以上、メモ。良いマイクロサービス移行の旅を。

  • セールスコピー大全を読んだ

    セールスコピー大全を読んだ

    見て、読んで、買ってもらえるコトバの作り方。

    読み始めたきっかけ

    人に読んでもらうための資料を作ったり説明する機会が多く、意図がうまく伝わってなかったり、たまに誤解を生んでしまったり、自分の表現力について課題を持っていた。

    たまたまセールスコピー大全を見つけたので、自分の表現力を向上させることができるかもしれないと思い、読むことにした。

    セールスコピーライティングとは

    セールスコピーライティングとは、求めている人を探し、彼らの心を動かす提案を考え、それを魅力的に語る技術。欲しい人へ欲しいものを売る方法。と定義されている。

    自分は「商品を求めている人が、求めているポイントを見つけ出して売ること」と解釈した。

    自分の読み始めるモチベーションとしていた自分の表現力について課題についての解決策を語るのが本の趣旨ではなく、いかに売るかがこの本のポイントなので、自分に刺さったところだけをピックアップしてメモとして残す事にする。

    本書からの学び

    売れるアイディアは生み出すものではなく拾うもの

    どうすれば売れるだろう、何を言えば売れるだろうという考えを排除する。

    そうではなく、「お客さんが強く求めているのは何だろう」、「お客さんの興味関心は何だろう」と考え、そこからセールスコピーを書くというアプローチ。

    常にお客さん(読み手)を意識してそこに求められていることから考えなさいというポイント。なるほど。確かにそうだ。

    1. お客さんの脳内にある売れる世界を探す
    2. 優れた提案を考える
    3. 魅力的に語る

    つまりこのステップになる。

    メリットと、ベネフィットを区別する

    ベネフィットは読み手が求める嬉しい未来であり、商品から得らえる嬉しい未来。

    特徴やメリットはそのベネフィットが叶う理由になる。。特にメリットの部分は引き立て役に過ぎない。

    ベネフィットとメリットは混同させてはいけない。

    不要な言葉を徹底削除

    キャッチコピーは訴求を魅力的に表現した短い言葉。訴求を読みやすくわかりやすくするだけで十分。

    ベネフィットさえ読み手を織り込んだ要素があれば「xxの悩みを抱えている方へ」などの記載も不要になり、より短い文にすることができる。

    意味が伝わるギリギリまで不要な言葉をダイエットする。

    問いかける

    ベネフィットを語る部分は、なるべく疑問が似合う表現に変える。

    「なぜxxの売り上げがアップするのか。」

    「xxの売り上げがアップする理由。」など。

    心の声に置き換える

    この本で取り上げている例がとても分かりやすかったので、そのまま紹介。

    NG: アンチエイジングに興味があるあなたへ

    99 ページ

    OK: 若かったあのころに、戻りたいあなたへ

    99 ページ

    心の声に置き換えると読み手の共感を得やすいからが理由とのことだが、上記例で溜飲が下がった。

    数字を上手に使う

    本書には記載がなかったが漠然とした「広い土地」とかではなく「東京ドームn個ぶん」という表現をテレビのレポータがしているのを思い出した。確かにその方がイメージもしやすい。また、数値表現がレスポンスに大きな影響をもたらし、具体的な数字が信憑性を高めることができる。

    また、数字の3には物理的な安定感のある数字であり、3が付くものは受け入れられやすいという特徴がある。

    権威を見せる

    一例として医師も認めた。などがそれに該当。

    自分は資料作りの時に説得力あるからということで国の公開資料を使うこともあるが、確かに自分も無意識にやってた。

    ちなみに、以下のサイトでは政府が公開している資料の閲覧もできるし、API で利用もできる。

    https://www.e-stat.go.jp/api/

    ストーリー

    興味深いストーリーならば、たとえ広告であっても、多くの人が興味を持って読み進めてくれる。ストーリーにはメリハリをつける。特にどん底と、最後の成功がポイントとなる。

    まとめ

    本書の大半はタイトル通り物をうるために使うセールスコピーだが、人を説得するという店では物を売ることを行わないエンジニアである自分にも使える知識もあるし、資料作りや人を動かす上での説得させる上での武器が多く書かれていた。すぐに実行もしやすいので早速学んだことを使っていこうと思う。

  • パフォーマンス・マネジメント -問題解決のための行動分析学- を読んだ

    パフォーマンス・マネジメント -問題解決のための行動分析学- を読んだ

    はじめに

    自分以外の人のモチベーションを維持・向上させ、マネジメントをしていく上で必要な本を探していた、先輩から紹介されたので即購入した。

    多くの物事は複雑に絡み合っている事が多いが、パフォーマンス・マネジメントを読んだ後は比較的シンプルに切り分ける癖がついた。

    今回はパフォーマンス・マネジメントについてまとめる。

    現状の確認

    仕事や人間関係がうまくいかない時には、他人や自分を責めるのではなく、問題を解決する方法を考える。

    仕事や人間関係がうまくいかない時、その原因を他人や自分の性格や能力、やる気や適性のせいにしてアクションを取らないことを、個人攻撃の罠と捉えている。

    個人攻撃に入った人は近づきづらく、負のスパイラルに陥る。

    個人攻撃に陥らない為には、一切の感情が入らないらないよう、チェックリストを予め作成し、それに基づいて「できているところ」、「できないところ」を整理する。

    強化の原理

    個人やチームが強くなる原理

    行動する事で、何か良い事が起こったり、悪い事がなくなったりすると、その行動は繰り返される。

    強化の原理が働くときは、

    〜〜の時〜〜したら〜〜になった

    という関係が成立している、

    〜〜の時  Antecedent:先行刺激
    〜〜したら … Behavior:行動
    〜〜になった … Consequence:結果

    と捉え、このことを行動随伴性(こうどうずいはんせい)と呼び、その頭文字からABC分析などと呼ばれる。

    これはちゃんとした医療用語で、心理カウンセラーがメンタルヘルスの一環で使う言葉のようだ。参考情報 http://www.counselorweb.jp/article/441261060.html

     

    改善点はその3つに分ける事ができる。

    Antecedent:先行刺激の改善

    例えば、他の人へ与えたタスクが、期待しているものと違っていた場合、

    その人が動く上での前提条件、Antecedent:先行刺激が足りない可能性がある。

    この際、「では自分が悪かったのか」と個人攻撃の罠にハマる危険もある。おそらくそれがひどければ鬱を誘発する。

    そのため、悪いところを探すのではなく、何か役に立つところを積極的に見つける。

     

    Behavior:行動

    作業者の「引き出し」が少なく、問題解決する上での数ある選択肢の中で、不適切な選択をするのであれば、この項目を改善するように考える。

    この点を改善するには、「引き出し」を増やすようトレーニングをする必要がある。

    Consequence:結果

    やる気の無さが直結する事が多い。

     

    行動を強化する、”何か良い事”を「好子(こうし)」と呼ぶ。これを一種のご褒美として使い、チームの強化などに使う。

    弱化の原理

    行動する事で、何か悪い事が起こったり、よくない事がなくなったりすると、その行動は繰り返されなくなる。.

    一方でチームが”悪くなる要素”を「嫌子(けんし)」と呼ぶ。これは望ましい行動を伸ばすという点からは欠点が多い。人間関係にも悪影響を与える可能性もある。

     

     

  • 「これ以上やさしく書けないプロジェクトマネジメントのトリセツ」を読んだ

    「これ以上やさしく書けないプロジェクトマネジメントのトリセツ」を読んだ

    はじめに

    エンジニアの傍らプロジェクトマネジメントのお仕事をさせて頂き始めて1年が経った。

    右も左も分からずもがきながら進んで来たが、ちゃんとしたプロジェクトマネジメントの本を読んだ事がなかったので、まずは一冊。最もやさしそうな本から読み始めようと思い、「これ以上やさしく書けないプロジェクトマネジメントのトリセツ」を手にとった。

    本記事の読者対象

    • プロジェクトマネジメントを始めたが進め方が不安な人
    • 「図解これ以上やさしく書けないプロジェクトマネジメントのトリセツ」に興味を持っている人

    どのような構成か

    プロジェクトをまわしていくストーリーが展開されている。

    プロジェクトマネージャは進め方に悩みながら進めていくが、そこでプロジェクトマネジメントの「先生」が現れ、課題を解決していく。

    このような構成なので、読者はプロジェクトマネージャの立場で読む事ができ、問題の解決策を「先生」から学ぶ事ができる。

    ストーリーがベースのため非常に飲み込みやすい構成になっている。また、登場人物はわずか7人のため、読んでいて混乱することもなく、プロジェクトマネジメントの理解に集中できるよう工夫もされている。

    この本(これ以上やさしく書けないプロジェクトマネジメントのトリセツ)のスコープ

    一口に「プロジェクトマネジメント」と言っても、プロジェクトマネージャの仕事はとにかく多いが、計画立案から、終結までの進め方がこの本のスコープに当たる。

    主に企画・計画立案・社内決済・基本設計・システム開発など、プロジェクトの成果が生まれるまでの一連の流れを開設されてある。

    以下、私がこの本を読んで行った中のメモになる。

    プロジェクトとは

    そもそもプロジェクトとは

    特定目的を達成するための臨時組織による活動。
    目的がなければプロジェクトは不要。
    目的が曖昧であれば必要なプロジェクト活動ができない。

    プロジェクト開始時に最低限必要なもの

    • 企画書、計画書
    • プロジェクト体制図、スケジュール表

    プロジェクト完了後の姿を明確にする

    プロジェクトが終了した時点で、具体的に何がどうなっているのか。 
    具体的な効果。明確なゴールがないと、ミーティングの話しがまとまらなくなる。

    プロジェクトマネジメントとは

    プロジェクトを先読みする技術。いかに先読みして、手戻りが発生しない最善の手を打っていくか。

    先読みの技術の1ツールとして

    • WBS(Work Breakdown Structure)
    • PERT(Program Evaluation and Review Technique)
    • リスクマネジメント

    が存在している。中でもWBSは最も重要。

    WBS

    プロジェクト活動に必要な全作業を、管理可能な単位に階層的に分割。作業のもれや、ダブりを最小限に抑える事ができる。

    作業の一つ一つを分解し、誰でも理解できる大き際に細分化する。
    細分化する事で具体的に何をすればいいかが見えてくる。

    PERT

    所要時間と前後関係を明確にする役割がある。
    最も重要なことは、最短経路(クリティカルパス)を導き出すことにある。

    リスクマネジメント

    損失を発生するかもしれない不確実な度合い。まさかの事態が起きないよう、事前に対策を講じる必要がある。

    • 損失発生を未然に防止するためにリスクを低減させる
    • 損失が発生してしまったら、被害を最小に食い止める
       先手を打つ、事前に対策を考えておくなど。

      リスクの洗い出しはブレインストーミングが有効。
      洗い出したら、リクスを評価、優先順位を5段階で決める。

    ステアリングコミティとは

    プロジェクトの講演会のような存在。

    プロジェクトオーナーと、リーダの中間。必須ではない。

    企業におけるプロジェクト

    • 経営改革プロジェクト
       経営戦略の策定
       経営理念の確信
       組織革命(グループ経営、組織改革など)
       事業の再構築(リストラ、M&Aなど)
       運営構造の確信

    • 商品&事業開発プロジェクト
       新規商品開発や、研究開発など。
       多角化などの新規事業開発も含まれる。

    • 情報システム開発プロジェクト
       情報システム再構築

      上記3つをマネジメント系プロジェクトと呼んでいる。

    • プラント建設プロジェクト
       工場の建築や、都市開発などがこれにあたる。

    プロジェクトマネジメントの必要性

    大半のプロジェクトは(プラント建設プロジェクト以外は)経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)の投資対効果を最大化する事。

    プロジェクトと既存業務との違い

    既存組織の特徴

    現状の枠組みを維持、組織の秩序を守る事が最大の勝ちにつながる

    既存組織の目的

    毎年の業務目標の達成。時間軸で業務目標決める

    プロジェクトの留意点

    プロジェクトに属する人のバックグラウンドが違うので、以下を留意する必要がある。

    • 前提条件の確認
       プロジェクトにおける決め事

    • 制約条件の確認
       社外要員(法規制、世論からの制約)
       社内要員(会社の経営資源の大きさ、経営者のこだわりなど)

    • プロジェクトの作業計画、納期とスケジュールの明確化
       WBSやガントチャート

    • 意思決定としてのオーナーの明確化
       プロジェクトリーダーはフットワークの軽い人が適任
       プロジェクトリーダーは、客観性の維持のため、自ら意思決定する事ができない。
       オーナーは意思決定者

    • ステークホルダーの明確化、配慮
       ステーキホルダーがプロジェクトを妨害しないために、権威ある人がオーナーになる必要がある。

    まとめ

    まとめると以下の通り

    ポイント既存組織(チーム)プロジェクト
    前提現状の組織
    組織の統制、秩序を重視
    新しいことを始める
    目的業務目標の達成など特定の目的、目標を達成させる
    組織継続的組織
    人事異動を伴う
    臨時組織
    人事異動は不要
    構成員同じ分野のスキルを持つ人数より人材要件を重視
    多様な分野のプロフェッショナル
    業務形態繰り返しのある日常業務繰り返しがない

    やるべき事が明確なものなどは、既存組織で進める方が良い

    何でもプロジェクトでやろうとしない。既存組織での解決するというやり方もある。

    プロジェクトの体制

    以下の2つが大きい。特徴は以下の通り。

    純プロジェクト組織

    特徴

    既存組織から人員を抽出、専任体制で進める形式

    メリット

    専念できるので、プロジェクトの成功率が向上する。
    既存組織のルールでマネジメントを行っても、そこそこうまくいく。

    デメリット

    占有するため、プロジェクトの人件費が固定費になる

    マトリックス組織

    特徴

    既存組織に属しながら、プロジェクトを兼務する方式。

    メリット

    人を増やさないため、即日発足可能

    デメリット

    兼任体制なので、専念できない

    プロジェクトが失敗するパターン

    • 空中分解(途中で終息・解散)
       周囲のステークホルダ(利害関係者)から協力を得られないなど

    • その場しのぎで「プロジェクトで解決する」と宣言

    • プロジェクトオーナー不在
       プロジェクトリーダーは実行の責任者だが、
       プロジェクトオーナーは意思決定者にあたる。そのため、オーナー不在では決められない。
       オーナー不在では、利害関係から発生する衝突に対応できない。

    • 見切り発車
       走りながら考えるようになると、ことごとく裏目になる可能性が高い。
       目的がころころ変更され、やり直しが多発することになる。

    • 丸投げ(営業が一括受注・要件定義不明)
       うまく行かなかった際、手の打ちようがなくなる。
       丸投げするのであれば、丸投げ先に計画を立ててもらい、プロセスの見える化が必要。

    • ダボハセ(プロジェクトでやる事が多くなり、首が回らなくなる)
       あれもやろう、これもやろうでやる事が増えてしまうプロジェクト。
       本当に必要なテーマに絞り込んで取り込むのが重要になる。
       戦略論で「選択と集中」が重要

    プロジェクトマネジメントの5原則

    1. プロジェクトフェーズとライフサイクルの原則
      プロジェクトの不確実性を回避するために、プロジェクトは適切なフェーズに分けて実施。そのため、大規模プロジェクトはフェーズに分かれる。

      例えば、
      * 企画フェーズ(問題解決のためのテーマの設定)
      * 基本設計フェーズ(全体構造を明らかにして、全体と部分の関係を明確にする)
      * 詳細設計フェーズ(詳細な仕様設計・コスト積算まで行う)
      * 調達開発フェーズ(具現化させる)
      * 導入・運用フェーズ(プロジェクトの効果を得る)

      プロジェクトが長期にわたる場合、中だるみしがちになる。メリハリをつけるためというのも理由の一つ。

      プロジェクトの開始と終結(ライフサイクル)を明確にする必要がある。ライフサイクルは、立ち上げ、計画、実行、コントロール、終結のプロセスから成り立つ。

    2. ステークホルダー明確化の原則
      プロジェクトの影響を受ける全ての人がステークホルダーとなる。
      ステークホルダーに対してプロジェクトの位置付けを明らかにし、協力者になってもらう必要がある。

    3. 組織影響の原則
      どのように影響を与えるのか明確にする。
      ここを明確にしないと既存組織から反感を買う恐れがある。

    4. プロジェクト運営知識・能力確保の原則
      プロジェクト運営に必要な知識能力を備えている必要がある。
      プロジェクトマネジメントの知識を有し、プロジェクト計画や実行に活かされる必要がある。

    5. 社会経済的影響の原則
      一つのプロジェクトが時には社会経済にも影響を与える事を肝に銘じる

    PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の役割

    大きく3つの役割を持たせる

    1. 全社レベルでのプロジェクトのリソースマネジメント
      全社のリソース配分を最適化し、パフォーマンスの最大化を目指す

    2. プロジェクトのストップ&ゴーの決断
      重要度が低いものはストップさせ、重要度の高いプロジェクトに再配分する

    3. プロジェクトマネジメントのノウハウの定着
      社内でプロジェクトマネジメントの研修を実施し、共通のノウハウとして全社に定着させる。

    PMBOK

    プロジェクトマネジメントの知識体系。世界で通用するプロジェクトマネジメントのデファクトスタンダード。

    以下の9つで構成される

    1. 統合マネジメント
    2. スコープマネジメント
    3. タイムマネジメント
    4. コストマネジメント
    5. 品質マネジメント
    6. 人的資源マネジメント
    7. コミュニケーションマネジメント
    8. リスクマネジメント
    9. 調達マネジメント

    まとめ

    私がメモを取ったのは以上の通り。プロジェクトマネジメント初心者にとっては非常にわかりやすくイメージもしやすいように纏まっている。

    辞書的に使いたいような素晴らしい本だった。

  • SCRUM BOOT CAMP THE BOOKを読んだ

    SCRUM BOOT CAMP THE BOOKを読んだ

    はじめに

    SCRUMのプロジェクトに属した事がなかったので、スクラムのスの字も分からなかった。

    しかし、色々な方々と話している時にSCRUMの言葉が出て来てついていけなくなった事があった。

    自分のチームがスクラムを導入するわけではないけど、スクラムというのはどうゆうものなのか概要は知っておくべきだなと思い、本書を手に取った。

    本記事の対象者

    • SCRUM BOOT CAMP THE BOOKに興味を持っている人
    • SCRUMを知らない人

    どのような本か

    SCRUMはアジャイル開発の一つ。

    現場の人たちの持てる力を最大限に引き出すための必要な事がまとまっているフレームワーク。

    ストーリーは漫画がベースになっていて、登場人物が色々問題にぶつかっていくが、SCRUMチームが解決していく。シンプルな話を通じて、具体例がわかりSCRUMがだいたいどんなものなのか理解できるようになる構成になっている。

    よって、以下の人が本書の読者対象として設定されているようだ。

    • 全体像と決められているルールについて理解したい人
    • 自分の現場でうまく取り入れていくためのヒントを得たい人

    本書の構成

    大きく二つ。スクラムの概要が約20ページでシンプルにまとまっており、実践編が約200ページと手厚くなっている。

    得られる知識

    SCRUMの概要

    SCRUMのルールは細かく決まっているものがあるが(例えばなぜスプリントの期間は一定でなければいけないのか)、それについてなぜそのようなルールが決まっているのかが説明されている。

    それが2時間程度で読めるボリュームに収まっている。

    自分のように直ぐに業務では使わないが、最低限の概要を知りたいという人にとってSCRUM入門の最初の一冊目に読んでよかった。

    本書の足りない所

    残念ながら索引がない。なので、せっかく分かりやすい良書ではありつつも、辞書的に使う事ができない。SCRUMの用語がどのページに出て来るのか、本の最後に欲しかった。