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  • 「企業文化をデザインする」を読んだ

    「企業文化をデザインする」を読んだ

    【はじめに】

    会社に所属するチームリーダーの視点で組織のパフォーマンスを高めるには、テクニカルスキルだけでなく、チームの文化を育む能力も求められると感じております。
    企業文化は、日々の意思決定や働き方に影響を与える重要な要素です。本記事では、開発チームのチームリーダーの視点から、企業文化をデザインするための方法を整理し、課題と具体的な対策を解説します。


    【目次】

    1. システムエンジニアの現場での「文化」の重要性
    2. 文化をデザインする際の課題とその解決策
    3. 実践で得られる効果
    4. 注意すべきポイント

    1. システムエンジニアの現場での「文化」の重要性

    エンジニアリングの現場では、以下のような文化的要素が成果に直結します:

    • 協力的なチーム環境:コラボレーションが活発で、知識共有がスムーズに行われる
    • 問題解決志向:失敗を恐れず、課題に対処する姿勢
    • オープンなコミュニケーション:上下関係を超えた自由な意見交換

    自然に形成される文化もありますが、放置すれば一貫性を欠き、エンジニアのモチベーションや生産性を損なう可能性があります。戦略的に文化をデザインすることで、チーム全体の成果を最大化できます。


    2. 文化をデザインする際の課題とその解決策

    本書では、企業文化をデザインする際に直面する課題として以下の点が挙げられています。それぞれの課題に対する対策も解説します。

    課題1:既存文化の課題を見つけにくい
    • 問題点:現状の文化が具体的にどのような影響を与えているかが見えにくい。
    • 解決策
      • 定量的データ:定期的な360度フィードバックやアンケートを活用する。
      • 定性的データ:1on1ミーティングでメンバーの意見を直接収集。
    課題2:理想と現実のギャップ
    • 問題点:リーダーが掲げる文化と、現場の実態が乖離する。
    • 解決策
      • 理想の文化を具体化し、行動指針として落とし込む。
      • 例:「協力的な文化」を目指すなら、レビューやペアプログラミングをルール化する。
    課題3:日常業務で文化が浸透しない
    • 問題点:忙しい日常業務に追われ、文化構築が後回しになる。
    • 解決策
      • 業務に直結する形で文化を浸透させる。例えば、「コードレビューで感謝のコメントを付け加える」といった小さな行動をルーチン化。
      • 定期的な「振り返りミーティング」で文化に基づく行動をチェック。
    課題4:抵抗勢力への対処
    • 問題点:新しい文化への変更を拒むメンバーがいる。
    • 解決策
      • 「なぜこの文化が必要か」を論理的に説明し、ビジョンを共有。
      • 小さな成功体験を共有し、文化のメリットを実感してもらう。

    3. 実践で得られる効果

    文化デザインを実践することで、以下のような効果が期待できます:

    • チームの連携が強化される
      協力的な文化により、プロジェクトの進行がスムーズに。特に大規模なシステム開発で効果を発揮。
    • 問題解決能力が向上する
      失敗を許容し、改善を重視する文化が、迅速な課題解決を促進。
    • 採用力の向上
      一貫した文化は、エンジニアリングの価値観に共感する優秀な人材を惹きつける。
    • モチベーションアップ
      メンバーが自身の役割とチーム全体の目標を結びつけられるため、やる気が向上する。

    4. 注意すべきポイント

    企業文化をデザインする際には、以下の点に注意が必要です:

    • 短期的な成果を求めすぎない
      文化の浸透には時間がかかる。焦らず、継続的に取り組むことが重要です。
    • トップダウンとボトムアップのバランス
      リーダーの指針だけでなく、現場の声を反映することで納得感が生まれます。
    • 一貫性を保つ
      リーダーが自ら行動で示さないと、文化が形骸化するリスクがあります。例えば、「失敗を許容する」と言いつつ、失敗を厳しく叱責する行動は逆効果です。
    • 業務効率との両立を考える
      理想の文化を目指すあまり、現場の負担が増えないよう注意する。適度なバランスが鍵。

    【まとめ】

    開発組織のチームリーダーとして、企業文化をデザインすることは、チームのパフォーマンスを高める重要な取り組みです。
    本記事で紹介した課題と解決策を参考に、戦略的な文化構築に取り組んでみると文化が変わるきっかけとなり、チームも変わり、組織全体がより良い成果を生み出すようになる可能性があります。

  • 『一生食べていける力』がつく 大前家の子育て を読んだ

    あらすじ

    『一生食べていける力』がつく 大前家の子育て (PHP文庫)は、現代社会で子どもたちが自立し、一生を通じて食べていける力を身につけるための子育て法を提案する一冊です。

    著者の大前家は、家族全員が自立心豊かで成功を収めていることから、その育て方が注目されています。

    本書では、大前家独自の子育て法や教育観が紹介され、親が子どもにどのような教育を施すべきか、また、子どもがどのように成長し、社会で活躍できるかについて考察されています。

     

    本書を通じて使えそうなところを5つ

    1. 子どもの意見を尊重する:
      子どもが旅行先の選択や週末の過ごし方について意見を述べたとき、親は子どもの意見を尊重し、一緒に計画を立てることが大切です。
      これにより、子どもは自分の意見が大切にされることを実感し、自立心が育ちます。
    2. 自然な形で責任感を持たせる:
      子どもにペットの世話を任せることで、自然な形で責任感を持たせることができます。
      子どもがペットの世話を行い、その結果ペットが健康で幸せでいることを実感することで、自然と責任感が芽生えます。
    3. 親子でコミュニケーションを楽しむ:
      親子でキャンプに行くなどして、一緒に過ごす時間を楽しむことが大切です。
      その中で、子どもと共に料理を作ったり、話を聞いたりすることで、
      子どもはコミュニケーションの楽しさを学び、他人とのコミュニケーションも得意になります。
    4. 規律を守る習慣を作る:
      子どもに決まった時間に宿題をする習慣を身につけさせることで、規律を守る力を育てます。
      例えば、放課後にすぐに宿題をすることを習慣化させることで、子どもは自主的に規律を守る力が身につきます。
    5. 学ぶ楽しさを伝える:
      子どもが興味を持っている分野に関連する博物館や展示会に連れて行くことで、学ぶ楽しさを伝えることができます。
      親が子どもの興味に応える形で学びの場を提供することで、子どもは自ら学ぶ意欲を持つようになります。

     

    まとめ

    これらの方法を実践することで、大前家の子育て法に基づいて、子どもたちが自立し、一生を支える力を身につけることができるでしょう。

    親として、子どもの成長をサポートしながら、彼らが社会で活躍できるような力を身につけることが大切です。

    『一生食べていける力』がつく大前家の子育ては、そのための素晴らしい指南書となっています。

  • Good Code, Bad Code ~持続可能な開発のためのソフトウェアエンジニア的思考:書評

    Good Code, Bad Code ~持続可能な開発のためのソフトウェアエンジニア的思考:書評

    開発者向けの書籍『Good Code, Bad Code ~持続可能な開発のためのソフトウェアエンジニア的思考』を読みました。 本記事では、本書の要点と私の感想も交えてまとめていきます。   この本は初心者から経験豊富なエンジニアまで幅広い読者にとって有益ですが、現実の開発現場ではさまざまな要因が影響を与えるため、適切な判断と柔軟な対応が必要かと思います。  

    はじめに

    近年、ソフトウェア開発の現場では、品質の高いコードを書くことが求められています。 本書『Good Code, Bad Code ~持続可能な開発のためのソフトウェアエンジニア的思考』は、開発者が品質の高いコードを書くための考え方や技術を網羅的に紹介しており、現場で直接活用できる内容が多く含まれています。

    章ごとの要点

    以下に、本書の各章ごとの要点をまとめます。

    第1章: 良いコードと悪いコードの基本的な考え方

    この章では、良いコードと悪いコードの定義やそれらを判断する基準について解説されています。 良いコードとは、可読性、保守性、拡張性が高く、効率的で堅牢なコードのことをこの本では指しています。 一方、悪いコードは、読みにくく、保守や拡張が困難で、パフォーマンスや安全性に問題があるということが特徴です。

    第2章: コード品質を向上させるためのプログラミング原則

    この章では、SOLID原則やDRY原則など、コード品質を向上させるためのプログラミング原則が紹介されています。 これらの原則を遵守することで、可読性や保ち続性、拡張性が高いコードを実現することができます。

    第3章: リファクタリングによるコード改善

    リファクタリングは、コードの構造を変更することなく、可読性や保守性を向上させる手法です。 この章では、リファクタリングの重要性や具体的な手法が紹介されており、Martin Fowlerの「リファクタリング」などの他の資料とも相互補完的な関係があります。

    第4章: チームでのコード品質向上

    チームでのコード品質向上のための取り組みとして、コードレビューやペアプログラミングが紹介されています。 また、コーディングスタイルの統一やドキュメントの整備など、チーム全体での品質向上に役立つアプローチも解説されています。

    第5章: テスト駆動開発と自動化

    この章では、テスト駆動開発(TDD)と自動化の重要性が説明されています。 TDDは、テストを先に書くことで、コードの品質と保守性を向上させる開発手法です。 また、自動化により、ビルドやテスト、デプロイの効率化が実現されます。  

    感想

    私の感想として、本書は非常に読みやすく、実践的な内容が多く含まれているので、ソフトウェアエンジニアにとって有益な1冊だと思います。 特に、SOLID原則やリファクタリングに関する部分は、現場で直接活用できる知識が豊富に紹介されていて、非常に役立ちます。 ただし、実際の開発現場ではさまざまな要因が影響を与えるため、本書の内容を鵜呑みにせず、適切な判断と柔軟な対応が必要です。 また、開発者は継続的な学習やスキルの向上を心がけることが重要であり、本書を参考にしつつ、自身の経験や状況に応じて最適な方法を見つけることが求められます。 ただし、以下の部分は気になりました。

    • 一部の章が他の資料と重複している: 本書の内容の一部は、他の書籍や資料と重複しているため、すでにそれらを読んでいる読者にとっては新規性が低い場合があります。
    • 初心者向けの内容が少ない: 本書は経験豊富なエンジニア向けの内容が多く、初心者にとっては難解である可能性があります。
    • 個々のケースに対する具体的な解説が不足している: 本書では、一般的な原則や技術が紹介されていますが、特定のケースに対する具体的な解説が不足しているところがあるように感じました。
    • 実践のしやすさに関する懸念: 本書では多くの実践的な指南が提供されていますが、これらをすぐに現場で実践することが容易でない場合もあります。例えば、既存のプロジェクトで多くの技術的負債がある場合や、組織の文化が変更に抵抗する場合などです。このような状況では、開発者は段階的に改善を進めることや、組織全体の意識改革を促すことが重要です。
    • 学習の効果に関する懸念: 本書を読むことで、多くの知識や技術を習得できる可能性がありますが、それらを継続的に練習し、実際の開発現場で活用できるようになるまでには、時間と努力が必要かと思います。開発者は、継続的な学習やスキルの向上を心がけるとともに、定期的に知識を見直し、新たな技術や手法を取り入れることが重要と感じました。

    まとめ

    『Good Code, Bad Code ~持続可能な開発のためのソフトウェアエンジニア的思考』は、ソフトウェア開発者にとって有益な書籍であり、多くの実践的な知識や技術が紹介されています。ただし、実際の開発現場ではさまざまな要因が影響を与えるため、適切な判断と柔軟な対応が求められます。 最後に、開発者は本書を参考にしつつ、自身の経験や状況に応じて最適な方法を見つけることが重要です。組織全体で品質向上の取り組みを行い、継続的なスキルアップを目指すことで、持続可能な開発を実現できるのではないかと感じました。  

  • 子どもと自分もラクになる「どならない練習」の要約

    概要

    本記事では、「子どもも自分もラクになる「どならない練習」」の内容を要約し解説します。

    この本は、親子関係をより良いものにするために、どのように声をかけ、どのように接するべきかを詳しく説明しています。

    どならない練習の重要性

    親子関係において、どならずに子どもとコミュニケーションすることは非常に重要です。

    どなることで、子どもは心を閉ざしてしまい、親子関係が悪化することがあります。

    どならない練習をすることで、子どもとのコミュニケーションがスムーズになり、親子関係が改善されます。

    親の感情のコントロール

    どならない練習の第一歩は、親自身の感情をコントロールすることです。

    怒りやイライラを抑える方法を身につけることで、子どもにどならずに接することができます。

    感情をコントロールする方法として、深呼吸や瞑想などのリラックス方法が効果的と本書では書かれています。

    子どもの気持ちを理解する

    どならない練習では、子どもの気持ちを理解することも重要です。

    子どもの感情や考えを尊重し、共感することで、子どもは安心感を得られます。また、子どもの気持ちを理解することで、親は適切な声かけや対応ができるようになります。

    効果的なコミュニケーション方法

    どならない練習では、効果的なコミュニケーション方法を身につけることが重要です。

    具体的には、以下の方法が挙げられます。

    • 伝えたいメッセージを明確にする
    • 子どもの目線に合わせる
    • 質問や意見をオープンにする
    • 聞く姿勢を大切にする
    • ほめることを意識する

    これらのコミュニケーション方法を実践することで、子どもとの関係をより良いものにすることができます。

    状況に応じた対応

    どならない練習では、状況に応じて適切な対応をすることも大切です。

    例えば、子どもが落ち込んでいるときや、困っているときには、共感や励ましの言葉をかけることが重要です。

    また、子どもが喜んでいるときや、達成感を感じているときには、その気持ちを共有し、一緒に喜ぶことが大切です。

    長期的な視点を持つ

    どならない練習を続けることで、親子関係は徐々に改善されます。

    しかし、短期間で劇的な変化を求めるのではなく、長期的な視点で取り組むことが重要です。そのためにも、自分自身の成長や子どもの成長を楽しむことが大切です。

     

    まとめ

    子どもも自分もラクになる「どならない練習」について整理してまとめました。

    どならずに子どもとコミュニケーションすることが、親子関係をより良いものにする鍵となります。

    親子関係をより良いものにするために、「どならない練習」を続けていくことが大切です。

    子どもとのコミュニケーションがスムーズになり、親子の絆を深めることができるでしょう。

    どならない練習を通じて、子どもとの信頼関係を築き、共に成長しましょう。

  • 自分でできる子に育つ: モンテッソーリ教育とレッジョ・エミリア教育のほめ方と叱り方

    概要

    モンテッソーリ教育とレッジョ・エミリア教育におけるほめ方と叱り方について、オックスフォード児童発達学博士の知見をもとに解説しています。

    3歳から12歳までの子どもたちを対象とし、自立した子どもを育てるための方法を学ぶことができます。

     

    モンテッソーリ教育のほめ方と叱り方

    モンテッソーリ教育では、子どもの自主性と独立性を重視します。

    ほめ方は、具体的で明確に行い、子どもの努力や成果に焦点を当てます。叱り方は、子どもの自尊心を傷つけず、問題の行動に対してのみ行います。

    レッジョ・エミリア教育のほめ方と叱り方

    レッジョ・エミリア教育では、子どもの創造性と表現力を重視します。

    ほめ方は、子どものアイデアや表現に対して評価を行い、独創性を称賛します。叱り方は、子どもに対して共感を示し、問題の行動に対して改善策を一緒に考えます。

    自立心を育てるための共通のポイント

    モンテッソーリ教育とレッジョ・エミリア教育の両方で、以下の共通点があります。

    • 子どもの意見や感情を尊重する
    • 自主性や創造性を重視する
    • 問題解決能力を育てるために、子どもが困難に直面した際にサポートを提供する
    • 成長過程において失敗を許容し、その経験から学ぶ機会を提供する

    親の役割とサポート方法

    親として、以下の方法で子どもをサポートするよう書かれています。

    • 子どもとのコミュニケーションを大切にし、感情や意見を共有する機会を持つ
    • 子どもの興味や才能を見つけ、それらを伸ばす環境を整える
    • 自分でできることを任せることで、自立心を育てる

    年齢別のほめ方と叱り方のポイント

    3-6歳: ほめ方は具体的な言葉で励まし、叱り方は簡潔で分かりやすくする。
    7-9歳: ほめ方は成長や努力を評価し、叱り方は問題行動に焦点を当て、改善策を提案する。
    10-12歳: ほめ方は子どもの意見やアイデアを評価し、叱り方は子どもと共に解決策を考える。

    まとめ

    モンテッソーリ教育とレッジョ・エミリア教育のほめ方と叱り方を学ぶことで、自立心を持つ子どもを育てることができます。

    親として、子どもの意見や感情を尊重し、自主性や創造性を奨励することが大切です。

    年齢に応じたほめ方と叱り方を適用することで、子どもの成長に適切に対応しましょう。

  • 「チームトポロジー」で価値あるソフトウェアを迅速に開発する適応型組織設計

    概要

    「チームトポロジー 価値あるソフトウェアをすばやく届ける適応型組織設計」は、組織の適応性を高め、価値あるソフトウェア開発を迅速に行うための方法論です。

    この記事では、本書の内容を概観し、その鍵となる要素を紹介します。

    チームトポロジーの基本原則

    チームトポロジーは以下の4つの基本原則に基づいています。

    1. チームの第一原則:チームは、組織の基本単位であり、ソフトウェア開発の効率と速度に大きな影響を与えます。
    2. コンウェイの法則:組織の構造がシステムの設計に影響を与えることを表す法則です。組織の設計は、適切なコミュニケーションを促進し、効果的なソフトウェア開発を可能にします。
    3.  チーム間の相互作用:チーム間の適切な相互作用は、生産性と効率を向上させ、組織全体の適応力を高めます。
    4. 適応型組織設計:変化に対応する能力を持つ組織は、競争力を維持し、市場の変化に素早く対応できます。

    チームタイプ

    チームトポロジーでは、4つのチームタイプが定義されています。

    1. ストリームチーム:ビジネス価値を直接創出するチームで、顧客や利害関係者と直接関わります。
    2. プラットフォームチーム:ストリームチームが利用する共通のプラットフォームやサービスを提供するチームです。プラットフォームチームは、開発の効率を向上させ、標準化や再利用可能なコンポーネントを提供します。
    3. 複合チーム:ストリームチームとプラットフォームチームの間に位置し、両者をつなぐ役割を担います。複合チームは、特定の技術やドメインに特化し、ストリームチームに専門的なサポートを提供します。
    4. 使い捨てチーム:一時的な目的のために結成され、その目的が達成されると解散するチームです。使い捨てチームは、新しいアイデアや技術を試すために利用されます。

    チーム間の相互作用パターン

    チーム間の相互作用は、以下の3つのパターンに分類されます。

    1. コラボレーション:チームが共同で問題を解決し、新しいアイデアを生み出すための相互作用です。
    2. X-as-a-Service:あるチームが他のチームに対して、サービスを提供する形での相互作用です。サービス提供者と利用者との明確な境界が設定されます。
    3. ファシリテーション:あるチームが他のチームをサポートし、そのパフォーマンスを向上させるための相互作用です。

    組織の適応性を高める

    チームトポロジーでは、以下の方法で組織の適応性を高めることが求められます。

    1. 継続的に組織構造を見直し、市場や技術の変化に応じてチーム構成や相互作用を適応させます。
    2. 透明性と情報共有を重視し、チーム間のコミュニケーションを促進します。
    3. チームの自律性と責任を尊重し、個々のチームが独自の意思決定を行えるようにします。

     

    まとめ

    「チームトポロジー」の適応型組織設計は、ソフトウェア開発の効率と速度を向上させるための有力な手法です。

    チームの第一原則、コンウェイの法則、チーム間の相互作用、適応型組織設計の4つの基本原則に基づき、チームタイプや相互作用パターンを活用して組織構造を最適化します。

    継続的な組織構造の見直しや、透明性と情報共有の重視、チームの自律性と責任の尊重によって、適応力のある組織を構築できます。

    このような組織は、競争力を維持し、市場の変化に素早く対応できるため、価値あるソフトウェアを迅速に開発することが可能となります。

    適応型組織設計を実現する「チームトポロジー」は、組織の適応力を高め、価値あるソフトウェアを迅速に開発するための方法論です。

    今後のソフトウェア開発の現場で、この手法を活用し、競争力を維持し、市場の変化に柔軟に対応できる組織を構築しましょう。

  • 限りある時間を最大限に活用する方法:効率的な時間管理術

    概要

    私たちの時間は限りあるものです。そのため、時間を最大限に活用し、効率的に過ごす方法を学ぶことは非常に重要です。

    「限りある時間の使い方」の本を読んで要点を10個にまとめました。

     

    本書のまとめ

    この本(限りある時間の使い方)では、効果的な時間管理術が紹介されています。

     

    1. 目標設定と優先順位付け
      目標を明確に設定し、それを達成するための具体的なステップを計画することで、時間を有効に使うことができます。また、タスクの優先順位を決めることで、重要なものから順に取り組むことができます。
    2. 時間の見積もりとスケジューリング
      タスクにかかる時間を見積もり、スケジュールに組み込むことで、時間を最大限に活用できます。余裕を持ったスケジュールを立てることで、予期せぬトラブルにも柔軟に対応できます。
    3. 効果的なブレイクの活用
      短い休憩を適切なタイミングで取ることで、集中力を維持し、パフォーマンスを向上させることができます。ポモドーロ・テクニックなどの時間管理法を利用することで、効果的なブレイクの活用が可能です。
    4. タスクの集中処理
      同じ種類のタスクをまとめて処理することで、効率を高めることができます。例えば、メールのチェックや電話の対応を一定の時間にまとめることで、集中力を維持しながらタスクをこなすことができます。
    5. 無駄な時間の削減
      SNSやゲームなど、時間を浪費する要因を排除し、自分の目標に対して集中することが重要です。また、無駄な時間を削減するために、デジタルデトックスを試みることも効果的です。
    6. ディープワークの活用
      集中力を高め、効率的に仕事を行うためには、ディープワーク(集中して取り組む時間)を設けることが重要です。ディープワークの時間を確保するために、邪魔になるものを排除し、静かな環境を整えましょう。
    7. 時間管理ツールの利用
      時間管理アプリやツールを利用することで、タスクの進捗やスケジュールを一目で把握できます。これにより、時間を効率的に使うことができます。
    8. 自己評価とフィードバック
      定期的に自分の時間管理能力を評価し、改善点を見つけることが重要です。また、他人からのフィードバックを受け入れ、自分の時間管理スキルを向上させましょう。
    9. 習慣化と継続
      効果的な時間管理を継続するためには、新しい習慣を作り、それを維持することが大切です。毎日の習慣を築くことで、時間管理能力が自然と向上していきます。
    10. 柔軟性の維持
      状況が変わることを前提に、スケジュールやタスクに柔軟性を持たせることが重要です。変化に対応できる柔軟な時間管理が、ストレスを減らし、効率的な時間の使い方をサポートします。

     

    最後に

    時間は私たちにとってかけがえのない資源です。

    この記事で紹介した効率的な時間管理術を実践し、限りある時間を最大限に活用して、人生の目標や夢に向かって前進しましょう。

    一歩ずつでも確実に進んでいくことが、最終的な成功への鍵となります。

    自分だけの時間管理法を見つけ、毎日を充実させることをお祈りしています。

  • システムを作らせる技術 を読んだ

    概要

    人にお願いしてシステムを作ってもらう事があるが、お願いした事と微妙に違うものができあがってしまう事があった。このような体験があってから、依頼の仕方が悪かったのかと仮説を立て本書を読むことにした。

    プロジェクトが失敗するパターン

    さまざまなパターンがある事がわかった

    • ゴールがバラバラ
      「関係者ごとに目指すゴールがバラバラ」よくある話だと思う

    • 現場の声を聞きすぎてコストが膨らむ
      経営者にインタビューすると「現場の声を聞いて、使いやすいシステムを」となるが、実際に現場の声を聞きすぎると、投資額が増える割にビジネスにとって役に立たないシステムになる

      痛いほどよくわかる。

    これの解決策として、Why -> How -> What の順番で考えよ

    ということがあった。これは、The Golden Circle で有名なこの話と同じだ

    https://www.smartinsights.com/digital-marketing-strategy/online-value-proposition/start-with-why-creating-a-value-proposition-with-the-golden-circle-model/

    つまりは解きたいゴールを明らかにする。ゴールが明確でなければ稼働まで辿り着けない。

    Why

    • このプロジェクトはなぜやるのか
    • 本当に今のままでは事業を継続できないのか
    • 最低限達成すべきことは何か

    を明確にする。問題になるのは、現場が理解しない(できない)のではなく、各関係部署が共に目指せるプロジェクトゴールを明確にする必要がある。

    プロジェクトが共有できてないと気づいた時には、手を止めて共有することが先決となる。

    良いプロジェクトゴール作りにするためには

    1. 以降の工程で使えるゴールにする
      プロジェクトを進める上での判断の価値基準になる。
    2. 地に足のついたゴールにする
      華々しいゴールを設定したがりがちだが、実情にあったゴールにしないと困難を乗り越える事ができない。
    3. 何のためのプロジェクトか(Why)をゴールに込める
      プロジェクトのゴールがしっかりしていないと、あれもこれもとごった煮になる。
    4. ゴールのわかりやすさにこだわる
      途中から参画するメンバーにとってもわかりやすいゴールにする
      ストーリー仕立てだとコンセプトを誰でも理解できる

    How

    システム機能を具体化する前に「システムが変わったらどういう絵姿になっているか」という将来像を描く

    業務フローを中心に書くのがポイント

    1. 変化点を必ず書き出す
      どのような意図で、何を変えるのかを意識する
    2. 正常系(メインフロー)を決め、その後に異常系(イレギュラーケース)を考える
      このフェーズではメインフローを書き切ることが重要
    3. 詳細まで詰めない
      フローを書いているとさまざまな疑問が湧いてくるが、そこはTODOとして管理して
      全てのフローを書き切ったあとでTODOを整理する
    4. 一人で作らず、人を巻き込む
      このフェーズで人を巻き込まないと「自分達で作った」とものとしてメンバーは認知せず、非協力的になってしまう可能性がある

    What

    要求定義、要件定義と同義。特に機能要求定義。

    まずは言葉の整理

    要求定義とは、「システムはこんな風であって欲しい」とシステムに求めることを明確にする作業

    利害関係者の意見をまとめて、実現すること・実現しないことを揺るぎなく決めること

    要件定義とはシステムを作る人が、システムに必要な性能や実装すべき機能などを明確にする作業

    システム要求を作る上での障壁

    1. 完璧なリストアップができない
      できあがったシステムを使った具体的なイメージしきれない
    2. 予算オーバー
      リストアップされた機能に優先順位をつけ、作る機能と諦める機能を取捨選択する必要がある
    3. 立場が変わればシステムに求めるものが違う
      関係者全員の同意が必要だが、必ず関係者間で思惑が食い違いが発生する。

    What まで出し切った後のポイント

    必要な要求を見極め、納得と合意を得られる優先順位を決める

    絞り込みには説得ずくめのコンセンサスが必要不可欠

    システムを使いこなし業務を良くして利益を出さなければ構築する意味がない。

    どれも大事に見える、比較できないということに陥りがち。

    もっとミクロで観ていくと「今回のゴールに必要」「現場のITスキルだと使いこなせない」「先進的すぎて本当に実現できるのか」という項目も出てくる。

    以下の3つの基準を、3段階評価する(あくまでも一例)

    • ビジネスベネフィット
      投資効果につながる
      売り上げ向上、原価削減、プロジェクトゴールへの貢献など
    • 組織受け入れ態勢
      増員が必要
      トレーニングが必要
    • 技術的容易性
      作るのは難しくないか
      不確実性を抱えてないか

    これらの基準は関係者を巻き込んで決める。自分達で基準を決めてもらうことで、プロジェクトの見方になってもらう。

    本書は 400ページ弱ほどの本なので、ごっそり自分に最も関係しそうなところだけ雑にまとめるとこんな感じだ。

  • 会社を辞めない起業 を読んだ

    会社を辞めない起業 を読んだ

    リスクなく起業するにはどうすればよいか考えていたタイミングでこの本が出版された。


    会社員をしながら起業についてわからないことがあった。

    具体的なお金の知らないについて。とりわけ社会保険料について知りたかった。

    具体的には会社員をやりながら起業すると社会保険料は勤めている会社が払うので、起業した会社では払わなくていいのか。

    逆に会社員を辞めて起業した会社にフルコミットする際にやらなければならないこと、気を付けるべきことはなにかを知りたかった。

    実際には、この本では

    • 起業する上でのタネ探し
    • マインドセット
    • 時間管理術
    • 副業禁止の会社での起業する方法

    というところが1 ~ 6章を占めていた。ページ数で言うと 214ページまでは自分のようなモチベーションで読み始めた人にとってはスルーできた。

    逆に言えば 215〜 285 までが求めていた情報だった。と言えればよかったのだが、そうでもなかった。

    個人事業主の登録をせよ。税金の申告をすることが目的だよ。

    青色申告はよいよ。赤字を繰り越せるよ。

    ネット銀行便利だよ。

    事業計画を作ろう。融資を受けるためにも必要だよ。一年予測での PL (損益計算書) 作ろう。

    SNS 拡充させて営業力を持とう。

    会社と、自分のビジネスの時間を逆転させていこう。

    ミッションを持とう

    • 自分の人生で命がけでやりたいこと
    • 自分が一番になれること
    • 自分にできることで人に喜ばれること

    待遇ではなく、世界観で仲間を選ぼうね。

    いきなり正社員を採用しない方がよいよ。期間を決めた契約からはじめるといいね。

    ざっくりまとめるとこのような感じだ。

    簡単にまとめるとこのような内容だった。具体的な方法と言うよりは、実際に起業する際に読む本という位置づけではなく、起業を思いついたときに読む本という位置付けのように感じた。

  • 「一番伝わる説明の順番」を読んだ

    一番伝わる説明の順番

    読むきっかけ

    「塚田さんの話しは点であって、線になってないからわかりにくい」と言われた事が一番の動機。

    説明の仕方を学んだことがなかった気がするので、改めて勉強することにした。

    よくあること

    • シンプルな話しを複雑に伝えてしまう
    • 言いたいことはあるが、どう伝えたらいいかわからない

    これを改善したい。

    わかりやすい説明の順番

    相手がどういう主張をしているのか、自分と食い違っているのかを察して柔軟に説明方法を変化させる。

    説明には2種類ある

    • 自分主導の説明
    • 相手主導の説明

    それぞれの特徴は以下の通り

    自分主導の説明

    プレゼンテーションなど、ゼロから組み立てる説明。

    1. 前提をそろえる
      これから話す内容について、相手がどの程度のレベルの知識を持っているか

      前提となる情報を共有できているか(過去の経緯、履歴。数字の定義など)
      今日はどこまで話すか
    2. 結論・主張・本質
      一言でいい
    3. 根拠・理由・事実
      根拠・理由は3つ話す。
      ロジックを強くするのは、どれだけ事実を調べられるか。
      政府や大手企業の公開資料を味方につけるとよい。
    4. 補足情報
      多すぎてもいけない。
    5. 結論・相手に促したいアクション
      最後にまとめる言葉で相手の印象が変わる。

    相手主導の説明

    相手から質問され、説明を求められるなどの問いに答える説明。

    • 大きいポイントから、小さいポイントの順番で説明する。
      事実であることが重要になる。
    • 相手が知りたいのは、自分の解釈なのか、事実かを見極めて、相手の聞きたい方から話す。
    • 事実を話す際は客観的なものから話す。

    優先順位をつけて、捨てる
    優先順位の最上位は「相手が知りたいこと」
    これに関係しない情報は捨てる

    「自分の思考」を整理するコツ

    以下のステップでまとめる

    1. 相手の知りたいことを明確にする
      なにが一番知りたいか
    2. 自分の知りたいことを明確にする
      伝えたい内容の中に、相手にどう動いて欲しいのかを含める。
      仕事のコミュニケーションは人に動いてほしいというのが源泉にあるはず。
    3. 情報のギャップがないかを確認する
    4. ギャップを埋めるために、なにが必要かを考える

    「相手の思考」を整理するコツ

    自分が強い立場に置かれているのか、弱い立場に置かれているのかで違う。

    自分が強い立場の時

    過去の自分を思い出す。

    相手の気持ちに配慮する必要がなく、忖度の必要がない。

    自分が弱い立場の時

    相手が求めているものを想像する

    印象に残る伝え方のコツ

    伝えたい情報をどれだけ詳しく持っているか。

    自分の持っている情報量でしか話せない。