カテゴリー: azure

  • Microsoft Authentication Library (MSAL) との連携時に発生する接続エラーとその回避方法

    Microsoft Authentication Library (MSAL) との連携時に発生する接続エラーとその回避方法

    PythonでMSAL (Microsoft Authentication Library) を利用してAzure AD認証を実施する際に、接続エラーに直面することがあります。この記事では、その一般的なエラーと、これを解消するための回避策について詳しく解説します。

    エラーの例

    MSALを使用してAzure ADのトークンを取得する際に、以下のようなエラーメッセージが表示されることがあります。

    requests.exceptions.ConnectionError: HTTPSConnectionPool(host='login.microsoftonline.com', port=443): Max retries exceeded with url: /yourtenant.onmicrosoft.com/v2.0/.well-known/openid-configuration (Caused by NewConnectionError('<urllib3.connection.HTTPSConnection object at 0x7f84b146ad00>: Failed to establish a new connection: [Errno -3] Temporary failure in name resolution'))

    このエラーは、プログラムがMicrosoftの認証サーバーに接続しようとしたときに発生します。

    エラーの原因

    このエラーの原因は主に以下の通りです。

    1. network接続の問題: なんらかの問題で通信がうまくいかなかった

    2. DNSの問題: DNSが一時的に名前解決できない場合があります。これは一時的な問題である場合が多く、しばらく待ってから再試行すると解決することがあります。

    3. サーバーのオーバーロード: Microsoftのサーバーに対するリクエストが多すぎて、サーバーが反応しない場合があります。

    解決策

    上記のエラーに対処としてリトライを実装しました。

    コード例

    以下は、再試行ロジックを実装したPythonのコード例です。

    import time
    import requests
    import msal
    import logging
    logger = logging.getLogger(__name__)
    def acquire_token_with_retries(client_id, private_key, thumbprint, authority_url, max_retries=3, retry_delay=5):
    retries = 0
    while retries < max_retries:
    try:
    client_app = msal.ConfidentialClientApplication(
    client_id=client_id,
    client_credential={"private_key": private_key, "thumbprint": thumbprint},
    authority=authority_url
    )
    return client_app.acquire_token_on_behalf_of(user_assertion="YOUR_USER_ASSERTION", scopes=["https://graph.microsoft.com/.default"])
    except requests.exceptions.ConnectionError as e:
    logger.warning(f"Connection error occurred: {str(e)}. Retrying in {retry_delay} seconds...")
    retries += 1
    time.sleep(retry_delay)
    logger.error(f"Failed to acquire token after {max_retries} attempts.")
    return None

    このコードでは、トークン取得を試みる前に、最大リトライ回数を指定し、それを超えた場合はエラーを記録してNoneを返します。また、リトライの間に指定された秒数だけ遅延させます。

    まとめ

    MSALを使ってAzure AD認証を行う際に、接続エラーが発生する可能性があります。その際は、インターネット接続を確認し、再試行ロジックを実装することで、これらの一時的な問題を解決できる可能性があります。エラー発生時に適切なログ情報を収集することも重要です。

  • Office 365 APIのトークン認証エラーAADSTS500133: の対処

    Office 365 APIのトークン認証エラーAADSTS500133: の対処

    イントロダクション

    Office 365 APIは、ビジネスプロセスの効率化に大いに貢献しています。しかし、これらのAPIをPythonスクリプトで使用する際、トークン認証に関連するエラー AADSTS500133 が発生することがあります。

    エラーの理解

    エラー AADSTS500133 は、トークンの有効期限切れやシステム時刻の不整合などに起因することが多いです。具体的には、以下のようなメッセージが表示されます。

    ValueError: {'error': 'invalid_grant', ... 'AADSTS500133: Assertion is not within its valid time range. ...}

    解決策の展開

    Step 1: トークンのリフレッシュを確認

    ビジネス環境では、認証トークンが自動的に更新されるように、アプリケーションの設定を最適化してください。これにより、中断されることなく業務を継続できます。

    Step 2: システム時刻の整合性を確認

    システム時刻が正確であることを確認し、必要に応じて同期してください。これは、特にクラウドサービスや複数のサーバーが絡むビジネス環境で重要です。

    Step 3: セキュリティと権限の設定を見直す

    アプリケーションとOffice 365 APIとの連携に必要なセキュリティ設定や権限を確認し、適切に設定してください。これにより、組織のデータ保護とコンプライアンスを確保しながら、業務効率を向上させることができます。

    結論

    Office 365 APIのトークン認証エラー AADSTS500133 は、ビジネス環境において迅速かつ適切に対応する必要があります。上記の手順に従い、効率的なビジネスプロセスをサポートしながら、この課顾を解決してください。

  • M1 MacでDockerを使ってPowerShellを動作させる

    M1 MacでDockerを使ってPowerShellを動作させる

    M1 MacでDockerを使用してPowerShellを動作させる際には、いくつかの課題が生じる可能性があります。

    この記事では、DockerfileをM1 Macでビルドする際に遭遇する可能性がある問題とその解決策を説明します。

    問題の概要

    以下のDockerfileを使用してビルドを試みると、特定のエラーが発生する可能性があります。

    FROM --platform=linux/x86_64 mcr.microsoft.com/powershell:7.3-ubuntu-22.04
    RUN pwsh -Command Install-Module -Name Microsoft.Graph -Scope AllUsers -F

    エラーメッセージは以下の通りです。

    ---> [Warning] The requested image's platform (linux/amd64) does not match the detected host platform (linux/arm64/v8) and no specific platform was requested
    ---> Running in 28a633eea3df
    An error has occurred that was not properly handled. Additional information is shown below. The PowerShell process will exit.
    An error has occurred that was not properly handled. Additional information is shown below. The PowerShell process will exit.
    qemu: uncaught target signal 11 (Segmentation fault) - core dumped
    Segmentation fault
    The command '/bin/sh -c pwsh -Command Install-Module -Name Microsoft.Graph -Scope AllUsers -F' returned a non-zero code: 139

    このエラーは、使用しているイメージのプラットフォームがホストと一致しない場合に発生します。

    具体的には、このエラーはx86_64(AMD64)プラットフォーム向けのイメージをARM64プラットフォーム(M1 Macが使用しているプラットフォーム)で実行しようとしたときに発生します。

    さらに、Segmentation faultというエラーになることもあります。

    これは、プログラムが不正なメモリ領域にアクセスしようとしたときに発生します。

    このエラーは通常、プログラムのバグや、プログラムが不適切な方法でメモリを操作した結果として発生します。

    この場合、エラーはQEMU(異なるCPUアーキテクチャ間でのエミュレーションを提供するソフトウェア)から発生しており、x86_64プラットフォーム向けのコードをARM64プラットフォームで実行しようとしたことが原因と考えられます。

    解決策

    この問題を解決するためには、ARM64プラットフォーム向けのPowerShellを直接インストールする必要があります。

    https://github.com/GitSumito/CodeArsenal/blob/main/Powershell_On_Docker_For_M1Mac/Dockerfile

    上のリポジトリは build したDockerfile です。

    以下 Dockerfile の解説です。

    # Select the base image
    FROM arm64v8/ubuntu:latest

    この行では、ベースイメージとしてARM64プラットフォーム向けの最新のUbuntuイメージを選択しています。

    # Update the package lists for upgrades for security purposes
    RUN apt-get update && apt-get upgrade -y

    この行では、セキュリティのためにパッケージリストを更新し、アップグレードします。

    # Install necessary tools
    RUN apt-get install -y curl wget tar sudo
    # Install the ICU library
    RUN apt-get install -y libicu-dev

    この行では、ICU(International Components for Unicode)ライブラリをインストールしています。ICUは、Unicodeとグローバリゼーション(i18n)サポートを提供するC/C++およびJavaライブラリです。

    # Download the PowerShell binary
    RUN wget -O /tmp/powershell.tar.gz https://github.com/PowerShell/PowerShell/releases/download/v7.3.4/powershell-7.3.4-linux-arm64.tar.gz

    この行では、PowerShellのバイナリをダウンロードしています。wgetコマンドを使用して、指定したURLからPowerShellのtar.gzファイルをダウンロードし、/tmpディレクトリにpowershell.tar.gzという名前で保存します。

    # Create the target folder where PowerShell will be placed
    RUN mkdir -p /usr/local/microsoft/powershell/7.3.4

    この行では、PowerShellが配置されるターゲットフォルダを作成します。

    # Expand PowerShell to the target folder
    RUN tar zxf /tmp/powershell.tar.gz -C /usr/local/microsoft/powershell/7.3.4

    この行では、ダウンロードしたPowerShellのtar.gzファイルをターゲットフォルダに展開します。

    # Set execute permissions
    RUN chmod +x /usr/local/microsoft/powershell/7.3.4/pwsh

    この行では、PowerShell実行ファイルに実行権限を設定します。

    # Create a symbolic link that points to pwsh
    RUN ln -s /usr/local/microsoft/powershell/7.3.4/pwsh /usr/local/bin/pwsh

    この行では、pwshへのシンボリックリンクを作成します。これにより、どのディレクトリからでもpwshコマンドを使用してPowerShellを起動できるようになります。

    # Install necessary PowerShell modules
    RUN pwsh -Command Install-Module -Name ExchangePowerShell -F
    RUN pwsh -Command Install-Module -Name Microsoft.Graph -F

    最後に、必要なPowerShellモジュールをインストールします。この例では、ExchangePowerShellモジュールとMicrosoft.Graphモジュールをインストールします。

    Dockerfileのビルドが成功すると、以下のような出力が表示されます:

    ---> c6bd065a23d8
    Step 6/11 : RUN mkdir -p /usr/local/microsoft/powershell/7.3.4
    ---> Running in 77c3cfaf924e
    Removing intermediate container 77c3cfaf924e
    ---> 19263b7b1096
    Step 7/11 : RUN tar zxf /tmp/powershell.tar.gz -C /usr/local/microsoft/powershell/7.3.4
    ---> Running in 6f9b149944ae
    Removing intermediate container 6f9b149944ae
    ---> 86c0945e8a86
    Step 8/11 : RUN chmod +x /usr/local/microsoft/powershell/7.3.4/pwsh
    ---> Running in bed70b0443d1
    Removing intermediate container bed70b0443d1
    ---> b767beaee0b3
    Step 9/11 : RUN ln -s /usr/local/microsoft/powershell/7.3.4/pwsh /usr/local/bin/pwsh
    ---> Running in 26c1c7b4b1cf
    Removing intermediate container 26c1c7b4b1cf
    ---> ff72047deef1
    Step 10/11 : RUN pwsh -Command Install-Module -Name ExchangePowerShell -F
    ---> Running in e024612672c1
    Removing intermediate container e024612672c1
    ---> 08eb8f79bdd4
    Step 11/11 : RUN pwsh -Command Install-Module -Name Microsoft.Graph -F
    ---> Running in 2988a85004a6
    Removing intermediate container 2988a85004a6
    ---> 0205240f3f6f
    Successfully built 0205240f3f6f
    Use 'docker scan' to run Snyk tests against images to find vulnerabilities and learn how to fix them

    このDockerfileを使用することで、M1 MacでもDocker上でPowerShellを動作させることが可能になります。