近年、Flask 以外に Quartも python で API を作る時に選ばれるようになってきました。 それぞれの特徴をまとめます。
項目 | Flask | Quart |
---|---|---|
作者 | Armin Ronacher | Philip Jones |
公開年 | 2010 | 2017 |
ライセンス | BSD | MIT |
非同期対応 | 部分的 (サードパーティ製の拡張機能) | ネイティブ (async/await 対応) |
コミュニティ | 大規模で安定 | より小規模で成長中 |
ドキュメントの充実度 | 高い | 中程度 |
日本語のドキュメント数 | 多い | 少ない |
GitHubのStarの数 | 55,000以上 (2021年9月時点) | 3,000以上 (2021年9月時点) |
対象ユーザー | 初心者〜上級者 | 中級者〜上級者 |
Flask はより充実したドキュメントと多くの日本語ドキュメントがあり、GitHub のスター数も多いため、初心者にも中級者や上級者にも適しています。 一方、Quart はドキュメントの充実度がやや劣り、日本語ドキュメントも少ないため、中級者や上級者に向いています。
サンプルコード
/hello を叩かれたら、hello world と表示するだけのサンプルコードは以下の通りです Flask の例:
from flask import Flask
app = Flask(__name__)
@app.route('/hello', methods=['GET'])
def hello():
return 'hello world'
if __name__ == '__main__':
app.run()
Quart の例:
from quart import Quart
app = Quart(__name__)
@app.route('/hello', methods=['GET'])
async def hello():
return 'hello world'
if __name__ == '__main__':
app.run()
Flask はシンプルで軽量なフレームワークで、大きなコミュニティがありますが、非同期処理には部分的な対応しかしていません。 一方、Quart は非同期処理にネイティブで対応しており、より効率的なアプリケーション開発が可能ですが、コミュニティはまだ成長中です。 どちらを選ぶかは、プロジェクトの要件と開発チームの好み、そしてチームメンバーの技術レベルによって異なります。 非同期処理のサポートが重要な要素であれば、Quart の方が適しているかもしれません。 一方、初心者向けのサポートや豊富なリソースが重要であれば、Flask が良い選択肢となるでしょう。