読んだ動機
業務をしていたプロジェクトリーダーを努めさせてもらった一年半の長い長いプロジェクトがようやく終わりを迎える。
振り返ってみたら、不確実性との戦いだった。手探りにプロジェクトを進め、ひっくり返ることもあった。
不確実性との戦いは今回担当したプロジェクト特有のものではない。おそらくきっと、人生につきまとってくるもののひとつだ。
それであればこの機会に不確実性についての取り扱いについてきちんと学びたいと思うに至った。
そこで ヒロキさんの Qiita にたどり着いた。
https://qiita.com/hirokidaichi/items/95678bb1cef32629c317#%E4%B8%8D%E7%A2%BA%E5%AE%9F%E6%80%A7%E5%88%86%E6%9E%90%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%91%E3%82%B9
トム・デルマコの著書はとてもいい知見に溢れているものの、自分からしたら比喩がわかりにくいこともあり、あまりすすんで読もうとはしてこなかったが、
知見を得たいとの一心で久しぶりに トム・デルマコ本。 ピープルウエア を読むことにした。
学んだこと
一言で言うと、この本は不確実性を直接対処するものではなく、生産性の高いチームを育てることで不確実性にも対応できるようにするといった本だ。
管理者が陥りやすい錯覚
個人的にはここで挙げられている項目が現在の自分が考えていた感覚とドンピシャだった。
7つ記載があったが、その中の3つがとても良かった。
生産性を飛躍的に向上させる方法があるはずだが、見落としてきた 上記錯覚に対する反論として以下が挙げられていた 基本的なものを見逃すものはない。 新しい方法を求め努力してきた。これからやろうとしている情報のどれもが、実際に生産性を高めることはない。 人は、何かに熱中したり、学んだり改善したりと思っているものである。 他の管理者は自分より、2倍、3倍の成果を上げている この錯覚に対する反論は以下のとおり。 そんなこと気にすることはない。開発やテストの部分に照準を合わせているに過ぎない。 他にもドキュメント作ったり、顧客と折衝したりする必要がある。 小さな視点で人と比べるのは良くない。 バックログが多いから生産性をあげなければならない。 プロジェクトの完成時にコストを計算すると、当初予算を遥かに上回るのが常識。 開発資金がなかった為に完成できなかったから、バックログになったもの。 生産性の向上は、バックログをこなすために必要なのではない。 バックログに溜まったタスクを潔く捨ててしまうことで得られる。 (わかるけどこれはちょっと極端だ)
生産性の高いチームを育てる
人が楽しいと思える仕事に必ず「挑戦」がある。
挑戦はチームのメンバーが一緒になって努力する目標が与えられるからこそ必要になる。挑戦は時にチームを一つにまとめる道具になる。最良の仕事仲間を持った時、人は愉快な気分になるものだし、力を尽くす。その時チームの相互作用がフルに働く。この瞬間、メンバーも楽しいと感じる。
チームが結束し始めると、成功の確率はぐんと高まる。このフェーズに入ったチームを率いることはリーダーとしての楽しみにもなるようだ。
結束の強いチームの特徴として、退職率の低さがある。
自己防衛を取ることのリスク
チーム編成を妨げ、プロジェクトを崩壊させる確実な方策与えられた仕事をこなす能力が部下にない場合、プロジェクトは失敗する。 しかし、与えられたグループでやっていこうと一旦決めたなら、最良の戦術は部下を信頼すること。 部下を信頼する代わりに、プロジェクトの成功を保障しようとして自己防衛の手段をとれば事態は悪化する。
最良の上司の定義
「管理」などないかのように、チームが和やかに一致団結働かせることができる人。
管理されていることを部下に気づかせずに、そんなやり方を繰り返しやれる人。
健全な会社にするための戦略的要素
品質を高める チームのメンバーが品質至上主義になると、市場が求めている以上の品質が備えた製品を常に生産するようになる。 満足感を与える打ち上げ (コロナ禍なので飲み会は難しいけど、自分の担当プロジェクトが完遂しら何かしないとな。)
読み飛ばしたところ
この本が書かれた時と時代は変わり、リモートワークが定着したことでオフィスに全員が出社する頻度はかなり減った。本書ではオフィスの環境についても書かれてあったが、そこはざっと読んだだけで、ほとんど読み飛ばした。
ここの部分はリモートワークについて語ってる Youtube大学で語っていることを取り入れることにした。
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まとめ
時代は変わってもチームビルディングについてのポイントは変わってない。
名著から学ぶことは多い。